2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

今日入手した本

村上春樹12の長編小説 1979年に開かれた「僕」の戦線作者: 福田和也出版社/メーカー: 廣済堂出版発売日: 2012/03/14メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る 福田和也さんの本はなんとなく気になって、時々買っている。 表題通りの…

國分功一郎「暇と退屈の倫理学」(5)

最後の「結論」なのであるが、これが肩すかしをくった感じがする、きわめて淡泊なものである。3つある。 結論1) ああしなければいけないとか、こうしなければとか思い煩うことはない。 結論は本を読んできて最後に読むものであるから、読者は今までこの本…

國分功一郎「暇と退屈の倫理学」(4)

アレクサンドル・コジェーヴというひとの「ヘーゲル読解入門」がどのくらい読まれているのかはわからない。國分氏の本での紹介では1933年から39年にかけてパリで行ったヘーゲルについての講義によって有名で、その講義にはラカン、バタイユ、メルロ=…

吉本隆明氏の死

吉本氏の死が新聞で報じられていた。吉本信者でもないしその良い読者でもなかったから特別の感慨があるわけではないが、若い時、その頃の流行というか雰囲気というかで偶然氏の「自立の思想的拠点」を読み、その中の江藤淳と福田恆存を論じた文を読むことが…

今日入手した本

クク氏の結婚、キキ夫人の幸福 (朝日文庫)作者: 佐野洋子出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2011/12/07メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 本屋さんで偶然見つけた本。「クク氏の結婚」と「キキ夫人の幸福」の2つの小品(小説? 童話?)を収め…

今日入手した本

生命の劇場 (講談社学術文庫)作者: ヤーコプ.フォン・ユクスキュル,入江重吉,寺井俊正出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/02/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (10件) を見る 最近、ユクスキュルのことを思い出す機会があった…

國分功一郎「暇と退屈の倫理学」(3)

第5章の「暇と退屈の哲学」は、國分氏が退屈論の最高峰だというハイデガーの退屈論が論じられる(國分氏はハイデッガーと記しているが、ハイデガーという表記になれてしまっているので、以下もハイデガーで通すことにする)。世に退屈論というのがどのくら…

國分功一郎「暇と退屈の倫理学」(2)

第3章「暇と退屈の経済学」は経済という見地からみた暇と退屈である。 前章が人類史からみた暇と退屈であったわけで、とにかくこの問題を広い視野からみていこうとしている。 ここで本書ではじめて暇と退屈が定義される。暇は客観的な条件、退屈は主観的な…

國分功一郎「暇と退屈の倫理学」

最初は非常に面白いと思って読んでいたのだが、そのうちに何か今一つという気がしはじめた。本書の後のほうで使用されている言葉を用いるならば、だんだんと「本来的なものを想定」しているように読めてきてしまった。ここでは、たとえばアレントが本来的な…