ドラッカー

清水幾太郎「倫理学ノート」 第4章「効用の個人間比較」

岩波書店 1972年 次に登場する経済学者がL・ロビンズ【1898〜1984】である。ロビンズは経済学から価値判断を排除することをめざした。経済学が科学であるためには功利主義と手をきらねばならないとした。それならば経済学が自分の領域ではない…

池田信夫「ハイエク 知識社会の自由主義」(4)第4章「自律分散の思想」

PHP新書 2008年9月 本章は、経済学固有の領域について議論をしている部分が多いので、近代経済学をまったく勉強していないわたくしには、よく理解できない部分が多く、また内容を誤解したところも多いと思う。 池田氏の本の記述だけではわからない部…

P・F・ドラッカー「ドラッカー わが軌跡」(8) 第15章「お人好し時代のアメリカ」

あちこち寄り道しているうちにドラッカー熱が大分さめてきたので、いずれまたとりあげることもあるかと思うが、とりあえず今回でいったん打ち切りとしたい。それでドラッカーを有名にしたGMの調査といった部分は全部とばして、最終章の「お人好し時代のア…

P・F・ドラッカー「ドラッカー わが軌跡」(7)番外 栗本慎一郎「新版 パンツをはいたサル」

現代書館 2005年 4月 (旧版 光文社 カッパ・サイエンス 1981年) ドラッカーの「わが軌跡」にポランニー兄弟の話がでてきたので、その日本での紹介者の一人であった栗本氏を思い出し、その栗本氏の(わたくしが読んだ中では)一番魅力的な著作と思…

P・F・ドラッカー「ドラッカー わが軌跡」(6)第6章「ポランニー一家と「社会の時代」の終焉」

ダイヤモンド社 2006年1月 カール&マイケル・ポランニー兄弟を中心とするポランニー兄弟姉妹とその父母とドラッカーとの交友について述べた章である。 この兄弟が、どの位、世に名前を知られているのかは知らない。日本では栗本慎一郎氏が、その宣伝役…

P・F・ドラッカー「ドラッカー わが軌跡」(5)第5章「トラウン伯爵と舞台女優マリア・ミュラーの物語」

ダイヤモンド社 2006年1月 トラウン伯爵とマリア・ミュラーというのは有名なひとではなく、ふたりはウィーンでドラッカーの生家の近くに住んでいたひとというだけである。伯爵は国立図書館の次長、マリアはウィーン国立劇場の女優。 この章でマリアはど…

P・F・ドラッカー「ドラッカー わが軌跡」(4)第4章「フロイトの錯誤とその壮大な試み」

ダイヤモンド社 2006年1月 本書ではこの章が一番面白いのではないかと思う。 ドラッカーは8歳のとき、一度だけウィーンの町でフロイトにあったことがあるという。そのとき両親がこういったのだという。「オーストリアで一番偉い人、もしかするとヨーロ…

P・F・ドラッカー「ドラッカー わが軌跡」(3)第2章「シュワルツワルト家のサロンと「戦前」症候群」

ダイヤモンド社 2006年1月 ここでとりあげられているヘルマン&オイゲニアのシュワルツワルト夫妻、通称ヘムとゲーニアの夫妻についてはわたくしはまったく知らなかった。多くの人にとってもそうではないかと思う。 ヘルマンは貧しい行商人の子として生…

P・F・ドラッカー「ドラッカー わが軌跡」(2)第一章「おばあちゃんと二〇世紀の忘れ物」

ダイヤモンド社 2006年1月 ドラッカーは95歳くらいで没しているが(1909〜2005)、かなり晩年まで本を書いていたひとで、本書はその70歳くらいのときの著作である。「わが軌跡」という邦題はいかにも自伝風であるが、原題は Adventures of …

P・F・ドラッカー「ドラッカー わが軌跡」(1)

ダイヤモンド社 2006年1月 ドラッカーという名前は随分と前から知ってはいたのだが、なにしろ経営学者という肩書きのひととして認識していたので、てっきり大前研一と竹村健一を足して二で割ったようなひと、金儲けのハウツーを書いているひとだろうと…