2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

内田樹「街場の読書論」(4)何で文学書が売れないか?

本書の最後に「補稿」として「「世界の最後」に読む物語」という文がある。執筆の日付がないからブログからの転載ではなく、書き下ろしなのであろう。タイトルから想像されるのとは違って、「文学作品が売れなくなった」という話題に関してである。「中央公…

内田樹「街場の読書論」(3)レヴィ=ストロース

レヴィ=ストロースが100歳で死んだ時に書かれた「追悼レヴィ=ストロース」という文章について考えてみたい。内田氏はレヴィ=ストロースの死によってフランスの知性が世界に君臨していた時代が完全に終わったとしている。カミュもサルトルもボーボワー…

内田樹「街場の読書論」(2)フランスの知識人たちと本を読むひと

「エクリチュールについて」という文で、内田氏はロラン・バルトについて論じている。もちろんわたくしはバルトを読んでいないと書いて、念のために本棚をみてみたらなんと「零度のエクリチュール」と「神話作用」の二冊があった。どちらもまったく読んだ形…

内田樹「街場の読書論」(1)「人生の中で一度は読みたい未読の本」

この内田氏の本は、ブログに掲載した短文を集めてテーマ別に編集した本である。そのなかのいくつかをきっかけにして何だかんだと書いてみようかと思う。どうも最近は硬い本をがりがりと読む気がしない。こういう短文集がちょうどいい。 それで第一回は、内田…

その7 生まれてはじめて

今日から、ある会社にときどき顔を出すことになり、それでそこに一つ机をいただけることになった。広いフロアの片隅にある机が自分の領分であって、これが考えてみると生まれて初めての経験である。医者生活をしていると通常、医局というたまり場があって、…

今日入手した本

批評とは何か イーグルトン、すべてを語る作者: テリー・イーグルトン,マシュー・ボーモント,大橋洋一出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/02/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (10件) を見る 随分と高い本で、どうしようか…

その6 お勉強・その4

4月から開始したお勉強生活。明治大学での連続講義の第2回目。 「日本海軍に観る「失敗の本質」」というレクチャー。 「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」というロングセラーの本がある。山本七平氏の本などから、日本の軍隊組織には日本のさまざまな問題…

その5 お勉強・その3

4月から開始したお勉強生活の第3回目。 朝日カルチャーセンターでの許光俊氏による「世界最高のピアニスト」という単発の講義。氏の「世界最高のピアニスト」という単行本(光文社新書 2011年)が面白かったので聞きにいってみた。この本ではファジル…

その4 お勉強・その2

4月から開始したお勉強生活の第2日目。 明治大学リバティーアカデミーというところでの講義。明治大学の中に入るのははじめてであったが、一昔前には立て看が林立しヘルメットに覆面のお兄さんたちがマイクを手にしてがなっていたところとは思えないきれい…

今日入手した本

リトル・ピープルの時代作者: 宇野常寛出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2011/07/28メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 362回この商品を含むブログ (85件) を見る この本の評判は前からきいていたのだが、その表紙がいやで手にとっていなかった(仮面ライ…

その3 お勉強こと始め

4月から開始したお勉強生活の第一日。 朝日カルチャーセンター、國分功一郎氏「スピノザ入門」第一回。 月一回、全12回の初日。びっくりしたのは教室が満員だったこと。10〜15人くらいの生徒であるかと予想していたのだが、大きな教室ではないが、そ…

今日入手した本

吉田健一 ---生誕100年 最後の文士 (KAWADE道の手帖)出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/01/20メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 48回この商品を含むブログ (10件) を見る 偶然書店で発見。金井美恵子さんと丹生谷貴志氏との対談…

その2 新入社員

明後日、ある会社の新入社員のかたに、健康管理について話さなければならないことになり、さて困った、どんなことを話したらいいかと思っていた。 最近の若い方はかなりの肥満のかたが多く、なかにはBMIが40をこえるひとなどがいて、確かに困った問題で…

その1 はじめに

昨日でなんとか管理職を卒業することができた。別にこれから働かなくなるわけではなく、相変わらず仕事は続けるが、あとは一兵卒として働けばいいのでだいぶ気楽になる。養老孟司氏は東大教授をやめたとき、まわりの景色が変わってみえたと書いていたが、そ…