2009-01-01から1年間の記事一覧

内田樹「説明する人−橋本治」in 橋本治「明日は昨日の風が吹く」

集英社 2009年9月 以下に論じるのは、内田氏の橋本治論なのだが、橋本氏の既刊の6冊の「ああでもなくこうでもなく」から抜粋したコラムと「広告批評」に掲載されたまま単行本未収載のままであったコラムを収めた本「明日は昨日の風が吹く」に附された…

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悪霊の島 上作者: スティーヴン・キング,白石朗出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/09/12メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 52回この商品を含むブログ (33件) を見る悪霊の島 下作者: スティーヴン・キング,白石朗出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2…

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明日は昨日の風が吹く作者: 橋本治出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/09/25メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログ (13件) を見る 既刊6冊の「ああでもなくこうでもなく」のエッセンスと、「広告批評」掲載のまま未収録のコラムを収め、内…

小室直樹「日本人のための宗教原論」

徳間書店 2000年6月 小室直樹氏は“文明開化の人”だと思う。変な言いかたかもしれないが、学問の神髄は西洋にあるので、学問を志すものは徹底的に西洋に、それも一流の西洋に学ばなくてはいけないとする人とでもいうような意味である。 だから経済学でい…

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針の上で天使は何人踊れるか―幻想と理性の中世・ルネサンス作者: ダレンオルドリッジ,Darren Oldridge,池上俊一,寺尾まち子出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2007/07/01メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (11件) を見る 魔女とかいった話…

橋本治「宗教なんかこわくない!」

まどら出版 1995年7月 「1Q84」について、村上春樹氏は読売新聞のインタヴューなどで、オウム真理教事件がその執筆の出発点となったといっている。「ごく普通の、犯罪者性人格でもない人間がいろんな流れのままに重い罪を犯し、気がついたときには…

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夕暮れをすぎて (文春文庫)作者: スティーヴンキング,Stephen King,白石朗出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/09/04メディア: ペーパーバック購入: 9人 クリック: 74回この商品を含むブログ (26件) を見る S・キングの最新短編集。二分冊で刊行されるそ…

C・ギンズブルグ「糸と痕跡」

みすず書房2008年 本書および著者の名前を知ったのは、少し前の朝日か毎日の新聞の書評で富山太佳夫氏が紹介しているのを見てであったと思う。富山氏の名前を知ったのはたしかウォーの「大転落」の翻訳者としてだと思うが、その解説が面白く、またその後…

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チーズとうじ虫―16世紀の一粉挽屋の世界像作者: カルロギンズブルク,Carlo Ginzburg,杉山光信出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1995/07メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る 今、ギンズブルグの「糸と痕跡」を読んでいて、こ…

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「もういちど読む 山川 世界史」 山川出版社 2009年8月 山川出版社から出版されていた教科書「世界の歴史(改訂版)」を一般読者むけに、記述をあらため、いくつかのコラムを追加したもの。わたくしが高校のときに用いた教科書がどこのものであったかは…

R・W・スクリブナー C・S・ディクソン「ドイツ宗教改革」

岩波書店 2009年2月 門外漢であるわたくしからみると、キリスト教はカトリックとプロテスタントである。ロシア正教というのがあることは知っているが、なんだかよくわからないのでドストエフスキーのことだと思っている。それならカトリックは何かとい…

橋本治「巡礼」

新潮社 2009年 8月 ゴミ屋敷に住む男を主人公にした長篇(中編?)小説である。 橋本氏の評論というか批評というのかは、全部ではないにしろかなりは読んでいて、それぞれに面白く、教えられるところが多いが、小説についてはどうもぴんとこない。わた…

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橋本治「巡礼」 新潮社 2009年8月 橋本治というひとも変わった小説を書くひとである。巡礼作者: 橋本治出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/08/28メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 90回この商品を含むブログ (48件) を見る

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大貫隆「グノーシスの神話」 岩波書店 1999年 思うところあって、というか、「1Q84」は何かマニ教とかと関係があるような気もして、筒井賢治氏の「グノーシス」を読んでいたら、この本も読みたくなった。グノーシスの神話作者: 大貫隆出版社/メーカ…

P・バーク「ルネサンス」

岩波書店 われわれが(わたくしがだけかもしれないが)常識的に抱いているルネサンス観は主として、19世紀半ばのブルクハルの「イタリア・ルネサンスの文化」に由来するものらしい。 中世においては、人間の意識は、一つの共通のヴェールの包まれて、夢を…

柴田元幸「代表質問」

新書館 2009年7月 柴田氏が、ギャラガー、カッチャー、パワーズ、リンク、ダイベック、村上春樹、ユアグロー、パルパース、吉田日出男、沼野充義、内田樹、岸本佐知子にしたインタビューと、柴田氏創作のアーヴィングへの架空インターヴューを収めたも…

中井久夫「治療文化論」

岩波同時代ライブラリー 1990年 わたくしは一貫して素朴実在論論の信奉者であり続けてきたと思う。あるいは学問的には素朴実在論というのは正しくない言い方なのかもしれないが、自分のそとに自分とは関係なくモノがあるとする立場である。そうでない立…

K・フォレット「大聖堂」

ソフトバンク文庫 2005年 ケン・フォレットはかなり前に「針の眼」を読んだことがあるだけである。とても面白いスパイ小説だったという記憶があるが、細部についてはほとんど何も覚えていない。「大聖堂」は評判はきいていたが、ヨーロッパ中世の聖堂を…

ハイエク「デイヴィッド・ヒュームの法哲学と政治哲学」in「ハイエク全集 2−7 思想史論集」

春秋社 2009年7月 この「思想史論集」は偶然書店でみつけた。その中にこの「デイヴィッド・ヒュームの法哲学と政治哲学」が収載されていた。これを知ったのは、だいぶ前に読んだ渡部昇一氏の「新常識主義のすすめ」(文藝春秋 1979年)の中の「不確…

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倉橋由美子「蛇 愛の陰画」 講談社文芸文庫 2009年8月 倉橋氏の初期の作品はあまり読んでいないので買い求めた。解説を小池真理子氏が書いているのだが、(わたくしから見ると)倉橋氏のことをまったくわかっていないというか、根本的に誤解していると…

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K・フォレット「大聖堂 果てしなき世界」 ソフトバンク文庫 2009年3月 今読んでいる「大聖堂」がとても面白いので(今、「中」にはいったところ)。大聖堂-果てしなき世界(上) (ソフトバンク文庫)作者: ケン・フォレット,Ken Follet,戸田裕之出版社/メ…

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ハイエク「ハイエク全集2−7 思想史論集」 2009年7月 ハイエクのスコットランド啓蒙についての論を読んでみたかったので。思想史論集 (ハイエク全集 第2期)作者: ハイエク,八木紀一郎,中山智香子,太子堂正称,吉野裕介出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2…

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神田橋條治「改訂 精神科養生のコツ」 岩崎学術出版社 2009年5月 中井久夫氏の「臨書瑣談 続」で紹介されていた。なんだかすごい本のようである。わたくしの至って苦手なホメオパシーといった話題もとりあげられているのだが。改訂 精神科養生のコツ作…

中井久夫 「臨床瑣談 続」

みすず書房 2009年7月 「みすず」連載中の文章をおさめたもの。丸山ワクチンについての論が話題になり、急遽、出版されることになった前の「臨床瑣談」の続編である。 「まえがき」に「一般の人と医師団との間にある、一種のずれ、すれ違い、違和感、ど…

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中井久夫「臨床瑣談 続」 みすず書房 2009年7月 丸山ワクチンについて書いて話題になった「臨床瑣談」の続編。今回は認知症などを論じる。臨床瑣談 続作者: 中井久夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2009/07/23メディア: 単行本購入: 2人 クリック:…

村上春樹「若い読者のための短編小説案内」

文藝春秋 1997年10月 村上氏の「1Q84」を読んで、感想めいたものを少し書いたが、何だか書ききれていないという、すっきりしないものが残った。 「1Q84」という小説の問題はよくも悪くも物語の部分にあり、それがこの小説の評価に深くかかわっ…

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村上春樹「1Q84」をどう読むか 河出書房新社 2009年7月 こういう本が出るんだなあ そして買うひともいる(笑)。だがぱらぱらみた感じではいくつか面白い論もありそう。村上春樹『1Q84』をどう読むか作者: 河出書房新社編集部出版社/メーカー: 河出書…

N・N・タレブ「ブラック・スワン」

ダイヤモンド社2009年6月 前に同じ著者の「まぐれ」を読んで id:jmiyaza:20081012 大変面白かったので読んで見た。印象としては「まぐれ」のほうがずっと理解しやすい本であった。著者は現職のトレーダーであり、前著では、話題が主として投資の世界に…

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E・トッド「デモクラシー以後」 藤原書店 2009年6月 「帝国以後」のトッドの最新(翻訳)著である。どうももっぱらフランスの政治について論じているものらしいが・・。デモクラシー以後 〔協調的「保護主義」の提唱〕作者: エマニュエルトッド,石崎晴…

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柴田元幸「代表質問」 新書館 2009年7月 村上春樹と内田樹両氏への質問が面白そうなので代表質問 16のインタビュー作者: 柴田元幸出版社/メーカー: 新書館発売日: 2009/06/19メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログ (20件) を見る 大塚英…