2008-01-01から1年間の記事一覧
光文社新書 2008年8月 バブルの頃、たしか毎日新聞だったと思うけれど、日曜版に「マネー・ゲーム」とかいった欄があって、数人の投資の専門家が、一定の元手で架空の株の取引をし、半年でどのくらい増やせるかというのを競っていたことがあった。はじ…
PHP新書 2008年9月 第5章「合理主義への反逆」 この章は、正直いってよくわからなかったのだが、それは池田氏が「ハイエクは合理主義に反対した」といっているにもかかわらず、わたくしにはハイエクが合理主義者としか思えないからである。もちろん…
PHP新書 2008年9月 本章は、経済学固有の領域について議論をしている部分が多いので、近代経済学をまったく勉強していないわたくしには、よく理解できない部分が多く、また内容を誤解したところも多いと思う。 池田氏の本の記述だけではわからない部…
PHP新書 2008年9月 前半は社会主義経済体制下では、市場が存在しないので、価格メカニズムを通して資源を適正配分することが困難であることがいわれる。 知識人は世界どこでも左翼的であるが、それは彼らは合理的であるので、自然科学によって自然が…
PHP新書 2008年9月 この章は大変面白かった。一言でいえば、ケインズは政治家で、有名な(しかし誰も読んでいない)「雇用、利子、貨幣の一般理論」は政治パンフレットであり、ケインズはまず結論を決め、その結論にあうように「一般理論」を書いた…
PHP新書 2008年9月 ハイエクというひとは前から気になっていたのだが、本書を読んで、以前からの疑問であったハイエクとポパーの関係、ハイエクとフリードマンらシカゴ学派との関係について一つの視座を手にすることができた。 ハイエクのことが気に…
「ハイエク全集4 感覚秩序」1989年6月 N・N・Taleb「The Black Swan」Rondom House 2007年
小幡績「すべての経済はバブルに通じる」 光文社新書 2008年9月
東京糸井重里事務所 2008年7月 糸井重里氏と氏が主宰する「ほぼ日刊イトイ新聞」が、吉本隆明氏の膨大な講演の音源をCD化して発売した(「吉本隆明 五十度の講演」。170回分くらい残されている講演の音源から50回を選んでCDにしたもので、CD…
角川oneテーマ21 2008年6月 この前とりあげた岡田正彦氏の「がん検診の大罪」が、現在の医療には有効なものはほとんどない。だから日常生活の注意によって健康を増進しようというものであったのに対し、本書は日常生活の注意で健康にいいといわれ…
新潮選書 2008年7月 第5章「医療への過大な期待」とエピローグ「治療から予防へ」 これまでの章でみてきたように「ほとんどの医療に有効性が認められなかった(有効性とは特定の病気が予防でき総死亡も減少すること、と著者はする)」として、それでは…
「ハイエク全集 3 個人主義と経済秩序」春秋社 1990年12月 山中優「ハイエクの政治思想」 けい草書房 2007年3月
N・ダニエルズ B・ケネディ I・カワチ「健康格差と正義」 けい草書房 2008年7月 新井潤美「へそ曲がりの大英帝国」 平凡社新書 池田信夫「ハイエク 知識時代の自由主義」 2008年9月 糸井重里構成「吉本隆明の声と言葉」 東京糸井重里事務所 2…
新潮選書 2008年7月 タイトルにある「がん検診の大罪」の章である。 1)肺がん検診: いろいろなデータが挙がられているが、著者もいうようにレントゲンと喀痰検査による肺がん検診の有効性については否定的な意見が多いのは事実であろうと思う。むし…
新潮選書 2008年7月 (2)に続いて、第3章「薬を飲んでも寿命はのびない」の残りをみていく。 まず、糖尿病の話。正直にいってこの部分、著者がどういうことを主張したいのかがよくわからなかった。 3つの経口糖尿病剤の治験を検討している。 スルフ…
前回、高田明和氏の「健康神話にだまされるな」(角川oneテーマ21 2008年8月)に示されている、大腸癌の検診の有用性を、25万人以上の人を便潜血反応検査をおこなう群と行わないない群にわけ検討している例を引用して紹介した。そこでは、検査を…
新潮選書 2008年7月 第3章「薬を飲んでも寿命はのびない」をみていく。 まず、血圧の話。いくつかの治験の成績が紹介される。 まずサイアザイド系の利尿剤。1980年オーストラリアのもの。対象は実薬とプラセボあわせて3500人弱(30〜69歳…
町田康「宿屋めぐり」講談社 2008年8月
井上章一「日本に古代はあったのか」 角川選書 2008年7月 高田明和「健康神話にだまされるな」 角川oneテーマ21 2008年8月 谷岡一郎「データはウソをつく」 ちくまプリマー新書 2007年5月 佐々木良一「ITリスクの考え方」 岩波新書 2…
高田里恵子「学歴・階級・軍隊 高学歴兵士たちの憂鬱な日常」 中公新書 2008年7月
F・ピアス「水の未来」日経BP社 2008年7月 柴田明夫「水戦争」 角川SCC新書 2007年12月
新潮選書 2008年7月 こういうタイトルであるが、特にがん検診だけを論じたものではなく、医療の場に存在しているさまざまな「常識」について、それへの疑問を提示したものである。著者の専門は予防医療学ということである。臨床のひとではなく、疫学あ…
文藝春秋社 2008年8月 S・キングの翻訳された長編としては最新のものということらしい。なにしろキングの長編であるから、上下巻あわせて700ページほどを4日で読んでしまったが、今までに読んだキングの作品の中では、「骨の袋」と「ドロレス・ク…
新曜社 1997年10月 漱石の「それから」を読んでとても面白かったので、それに言及している本を探しているうちに本書を思い出し、その関連する部分を読み返してみたらとても面白く、それ以外もあらかた読み返してしまった。 多くのひとがそうかもしれな…
S・キング「リーシーの物語」 文藝春秋社 2008年8月
あまり面白くなかった。 前半はまだしも、三四郎がうじうじグズグズと美禰子のことを思い続けるだけの後半は退屈である。とにかく、何もしないのだもの。 「三四郎」は田舎の青年が都会にでてきていろいろ経験していく様を描こうとしたのであろう。しかし青…
凄い小説。これを今まで読まずにいたなんて。全然、読むのが苦痛でなかった。 読まずにいたのは、ひとつにはこれが「高等遊民」を描いたというようにいわれていて、そんなのはいやだなと思っていたことがある。しかし、ここに描かれているのは「高等遊民」で…
フォークナー「アブサロム、アブサロム!」河出書房新社 2008年7月 丸谷才一「いろんな色のインクで」マガジンハウス 2005年9月
月本洋「日本人の脳に主語はいらない」 講談社選書メチエ 2008年4月
思うところあって、漱石「門」を読んでみた。 漱石の小説は苦手で、「坊ちゃん」以外は読むのが苦痛で、「猫」も「虞美人草」も比較的最近なんとか読み通したのだが、これも通読するのがつらかった。 それならここに感想を記すこともないわけだが、小説とい…